男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「1」

-えっ!?寅さんが、突然店にやってきた-
 2008年8月16日の午後、私の店(おだぎり通信)に突然寅さんがやってきた。格子じまの背広と帽子、腹巻きに雪駄ばき、姿格好はまぎれもなく映画男はつらいよのフーテンの寅さんである。
 えっ、なんで!?フーテンの寅さんがウチの店に?
 
 この日は祭りが始まる日だ。秋田県無形民俗文化財花輪ばやしの御輿さんが、山麓の本殿から街のお旅所に降りてくる日だ。
 夏の陽射が強く、私は汗だくになりながら、それぞれの露天に出す花輪ばやしのみやげ品の仕分けに追われていた。
 
 あの、今とても忙しいから、もし物売りやなんかのセールスだったらお断りだから・・・。口には出さなかったが、はっきりと顔に出ていたのだろうか。その寅さんは察知したのか、さっと名刺を差し出した。黄色い名刺には「元祖寅さんガイド・野口陽一」と書かれてあった。
 
 いやぁ、申し訳ありません。てっきり寅さんの格好をした物売りかと・・・。アハハッ、いやぁ、本当にすみません。まず、どうぞおかけになって下さい。椅子に座ると寅さんはマジに素のままで、深いため息をついた。ほどなく車からお供のスタッフ2人も降りてきたので、さらに椅子をすすめた。
「私は葛飾柴又で、寅さんの格好をしてボランティアでものまねガイドをしている野口陽一といいます。今年は映画男はつらいよが誕生してちょうど40周年になりますし、何よりも渥美清さんの十三回忌の年なんですよ。それで映画のロケ地を訪問して回りながら、今の日本は少し元気が足りないと思ってるんで、元気づけようと思いましてね。実は、これから北海道に渡るんですが、その前に、確か秋田県の鹿角市は第何作目かのロケ地になっている。スタッフのみんなで途中だから寄って行き、当時の話を聞いて行こうということになったんですよ。小田切さんは映画に出たって聞いてきたんですが」寅さんは一気にそう話した。
「えっ、どなたが言ってたんですか?」と私。
「駅前の観光案内所の小母ちゃんが言ってましたよ。面白い人で、いやぁ、いい人だ。世話になったなぁ。ところが街、分かんないもんで道間違えて最初酒屋に行ったんだ。そしたら道1本むこうだって。そんでもってあそこだろうって行ってみたらケーキ屋さんだった。いやぁ、うちではないなぁって」
「それ小田菓子店さんじゃないかな」
「いやぁ、とても親切な人で、いろいろ一緒に考えてくれてもしかしたらそれ、(おだぎり通信の)小田切さんのことじゃないかって。そんでもってやっとの思いでここにたどり着いたんですよ」
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※今では知る人ぞ知る、葛飾柴又で寅さんのものまねガイドを12年間続けている「野口寅さん」こと、野口陽一さん。
 観光案内所の親切な奥さんと、一緒にパチリ!

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