日本映画切手と撮影現場の思い出(4) その1

-幻で終わった たった1回の映画出演-
映画ってこんなもんでしょう。
私にとって幻で終わったたった1回の映画出演でした。
一生懸命やったんですけど、結局編集でカットされたのか、実際の映画には出演していなかったという、当時の私にとっては笑えない笑い話でした。
でも映画撮影のプロセスをエキストラ出演しながら目の前で見ることができた経験は本当に貴重で、忘れられないものがありました。
まずは、昔の話ですけど、ということでこのブログをごらん下さい。
1.
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鹿角ロケが今まさに始まろうとしていた。
ふと見ると目の前に山田洋次監督がいた。
隣には高羽哲夫撮影監督がいる。
すごいな、本物だ。
朝がたに降った小雨が上がりかけていた。
2.
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撮影機材と照明機材がスタッフの手で手際よく配置される。
遠くからプラットホームを歩く乗客の姿を撮る。
いとも簡単に終わった。
3.
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続いて次のシーンを撮る準備に入る。
あっという間の移動だ。
「エキストラ、鹿角市山岳会。えーと、2人ですね。」
そうですと答える。
「はい、じゃあ中に入って下さい。」
助監督に言われ指示された場所に立った。
4.
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ここからの一連のショットは正真正銘、
映画「男はつらいよ・寅次郎恋愛塾」(第35作)
の撮影現場風景である。
最初は夢じゃないかと思った。
あの有名な寅さん映画の現場になぜ自分がいるんだろう。
しかも本物の山田洋次監督がいて、カメラをこちらに向けている。
これが夢じゃなくて一体なんなんだ。
5.
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陸中花輪駅でのシーン。
確か助監督には雨が上がり、八幡平の山並みを見ている登山客という感じでと言われていた。
地面には立ち位置がチョークでT字型についていた。
ところが、
うわっ、山田洋次監督がこっちへ来たぞ。
「ハイ、切符を落してポケットを探してる。ハイッ、やってみて!」
結構早口だ。
(エーッ、急に言われてもなあ。だってボクたち俳優じゃないもん)
6.
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面喰ってモジモジしていると
「ホラ、やるんだ。どっちでもいい。やってごらん。」
結局、相方の田中君が、じゃあ僕がやりますってな感じで、やり始めた。
位置が思い通りでないのか、山田監督が私の肩や腕をつかんで直す。
本物の監督がオレにさわってる。
気を失いそうだった。
・・・つづく
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