男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「11」

- 「100年インタビュー山田洋次が語る寅さん秘話」を見て -
 地元の祭りが終わって、なんとなくほっとしていた2008年8月28日午前1時35分、つまり深夜なのだが、眠れず、テレビのスイッチを入れると偶然、山田洋次監督が画面に出ていた。何気なく見ていると、どうやら寅さんの話をしている。大好きな寅さんの話だ、聞きのがすわけがない。聞き役のNHKベテラン女子アナの上手さも手伝って一気に終わりまで番組を見てしまった。
 翌日テレビ番組欄を見るとNHKの「100年インタビュー山田洋次が語る寅さん秘話」という番組であった。
 この番組のなかでの寅さん誕生秘話は実に興味深いものであった。特に寅さんの原形となる闇屋の人物の話や、家計を助け、また自らの学費を稼ぐためにした進駐軍の肥えを担いだ話など、体験した労働の壮絶さには聞いていて涙が出てきた。しかし、同時にその体験したすべてが映画のなかに生きているのだということも理解することができた。寅さん大好き人間のひとりとして、あの番組は時間をおいてもう一度ゆっくりと見てみたいなと思った。
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※平成20年8月16日、私の店「おだぎり通信」に立ち寄られたあと北海道に渡り、ロケ地を行脚した。突然の訪問、この夏は私にとり、インパクトがあった。
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※野口陽一さんの加藤幸二マネージャーから送っていただいた写真のなかでこの写真が一番好きだ。この背中が野口さんの人柄をとてもよく物語っている気がする。
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※「よう、元気でやってるかい?」
 北海道札幌市の大通り公園で市民に声をかける野口寅さん。この様子は北海道新聞が写真入り記事で取り上げている。
「写真掲載:(C)加藤幸二/野口陽一マネージャー」

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男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「10」

- 一度、小諸市を見てくればいい。勉強になるから -
 松竹映画「男はつらいよ」のシリーズ誕生40周年と寅さんを演じた俳優渥美清さんの13回忌に合わせて北海道ロケ地を行脚する野口寅さんこと、野口陽一さん一行が2008年8月16日に私の店を訪問した際に、短い時間のなかで、実に多くのご教示をして下さった。
 そのなかで、一番印象的であったことは、鹿角市は寅さん映画のロケ地でありながら、観光施設などになぜ寅さんの写真が一枚もないのかというご指摘であった。
 
野口「小田切さん、私驚いたんだけど、この街は寅さん映画のロケ地でありながら、観光施設などに寅さんの写真が一枚も貼ってないんだな。ずいぶんあっちこっち見たんだよ。それでも一枚も無かった」
小田切「いやあ、そのことなんですが、実はついこの間まで私、この街で市議会議員をやっていたんですが、映画「男はつらいよ・寅次郎恋愛塾」(第35作)鹿角ロケのことを話題にあげながら、観光客の誘致を考え観光政策の一環として、有名映画や有名テレビ番組のロケ誘致をしてみてはどうか、観光課のなかに施策として位置づけられないか、手法として”鹿角フィルムコミッション”という名称でフィルムコミッションの設立を試みてはどうかと提案しているんですね。今から10年近く前の話ですが」
野口「ほう、で、どうなったの?」
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※長野県小諸市で開催された渥美清さん13回忌のイベント。山田洋次監督を中央に女優の三田佳子さん、笹野高史さん。
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※映画「武士の一分」で味のある演技が光った俳優笹野高史さんと並ぶ野口寅さん。右は加藤マネージャー。
小田切「なかなか理解が得られませんでね・・・。野口さんが観光施設などでごらんになられた姿がひとつの答えになっているのかもしれません」
野口「それじゃ、だめですね」
小田切「おっしゃる通りなんですが、少しばかり疲れてしまったもんですから」
野口「小田切さん、小諸に行ってくるといいよ。勉強になるから。小諸はいいよ」
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※映画「男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日」(第40作)のロケ地となった長野県小諸市。ロケ地巡りのバスツアーが実施され、野口寅さんはそのガイドを務めた。
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※三田佳子さんを会場まで加藤マネージャーの車でお送りする。
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※寅さん映画のロケ地を地域活性にどう結びつけているか、小諸市を見て勉強してみては?と野口寅さんに言われた。
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※小諸市にある「渥美清 こもろ寅さん会館」館長の出井さん。
小田切「こうしてお写真や資料を見させていただくと、私達のほうには何が不足なのか、はっきり分かるような気がいたします」
野口「小田切さん、何かやろうというときは力になるよ。人はいっぱい知ってるからね」
小田切「はい。そのときはよろしくお願いいたします」
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※山田洋次監督。鹿角市来訪のころからみると、だいぶ白髪になられたなあ。撮影時は目がきびしかった。
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※野口寅さんこと、野口陽一さん。
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※渥美清さん亡きあとも全国に寅さんはこんなにいるんだ。どんなに親われ、みんなが大好きなのがとてもよく分かる。
「写真掲載:(C)加藤幸二/野口陽一マネージャー」No.1~No.9まで。

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男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「9」

-寅さん映画を地域活性の起爆剤にとは思わなかったか その2-
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野口「若い頃の樋口可南子さんは可憐でいいねぇ」
小田切「そうですね。これは監督の声がかかるまで外で待機している樋口さんを、足元にしゃがみながら撮ったものです」
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野口「あぁ、これは映画のなかで見られるシーンだな」
小田切「そうです。松風さんの家のなかですね。確か映画では役柄で鹿角市出身の平田満さんの実家という設定だったと思います。」
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野口「よく撮影のセットのなかに入れたね」
小田切「一応、私もカメラマンですから(笑)。マスコミの撮影隊にまじってバシバシ撮りましたよ。本番のとき以外はオープンでしたのでね」
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野口「樋口さん、待機中だな」
小田切「そうですね。映画って、見ていると自分の出番以外の待ち時間が結構長いですよね」
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野口「この左側の人達は?」
小田切「市役所の人達ですね。当時はフィルムコミッションなどなかったから、市が全面的に支援したんですね」
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野口「山岳会の格好しているのはエキストラだな。映画にも出てた」
小田切「そうでうね。あぁ、写真で見てると左側の人達は皆市役所の人です。かなりの力の入れ方だったことが分かりますよ。」
「写真掲載:(C)おだぎり通信出版事業部」

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男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「8」

-寅さん映画を地域活性の起爆剤にとは思わなかったか その1-
 おだぎり通信のブログ「店長のひとりごと」のなかで、”男はつらいよ 寅さんブログの後日譚”と題し、シリーズの前編をご紹介してまいりましたが、今回から後編に入りたいと思います。
 実はこの間に、松竹映画「男はつらいよ」寅さんファンクラブ会長の松井寿一さんからお手紙をいただいたり、野口寅さんこと野口陽一さんやマネージャーの加藤幸二さんから、たくさんの活動資料や写真提供をしていただきましたので、それらをおりまぜながらブログを進めてまいりたいと思います。
 
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※全国のみんなぁ、秋田県鹿角ロケの続きをさらに聞くよ!
野口「小田切さん、街を歩いて思ったことがあるんだが、この街の人達は寅さん映画を地域活性の起爆剤にとは思わなかったのかな?」
小田切「と、言いますと?」
野口「うん、ここにくる前に実は観光施設にも寄ってきたんだ。観光バスから降りてきたお客さん達はみな、キャー寅さんだ、寅さんがいるって騒いでくれているんだが、肝心の観光施設の人達はねぇ・・・」
小田切「シラーッ、としていると?」
野口「うん、まぁ、そんな感じなんだなぁ」
小田切「弁解がましいようですが、寅さん映画の鹿角ロケは今から24年前の話ですから無理もないかと思います。20歳ぐらいの子達は生まれてもいないから知らないんだと思います。まあ、寅さんを知らないのはけしからんことですが」
野口「これで小田切さんに門前払いを喰らっていたら、本当に目も当てられなかった」
小田切「アハハ、免じて許して下さい。こうしてお話ができたということで・・・」
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野口「松風、これは?」
小田切「花輪に古くからあった造り酒屋さんです。道路の拡幅事業で町並自体が姿を消してしまいました」
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野口「いやぁ、相変わらずすごいマスコミとやじ馬の数だな」
小田切「そうですね、これは谷内田町御旅所の前かな」
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野口「おっ、タクシーのむこうに渥美さんがいるな」
小田切「迎えに出てる方は松風さんのお婆ちゃんだと思います」
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野口「マドンナの樋口さんだな」
小田切「そうですね」
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野口「撮影が始まったのかな?」
小田切「これは、この日の午後から行われた鹿角市花輪の街なかでの撮影風景です」
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野口「この方はエキストラ?」
小田切「確か秋田県出身で声楽家の方だったと思ったなあ」
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野口「建物がいいねえ、昔風なのがね」
小田切「そうですね。私は市の有形文化財に指定されるべきだと思っていたんですが、解体されて姿を消してしまいました。残念です」
「写真掲載:(C)おだぎり通信出版事業部」

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男はつらいよ 寅さんブログの後日譚「7」

-鹿角ロケ、花輪駅前シーンの話 Part3 その2-
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これを見ていると映画撮影の手順がよくわかる。エキストラの位置が決まると、次に助監督たちが俳優の代役をし、カメラリハーサルが始まる。カチンコを持ったほうが寅さん役なのだろう。2度、3度繰り返した。
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一瞬、観客がオーッとざわめいた。振り向くと、そこに寅さんがいた。すごい、本物の寅さんが1.5m位の至近距離にいる。酔っぱらいの演技のためか顔に異常なほどのピンクのドーランが。思わず吹き出してしまった。隣の俳優松村達雄さんは声も姿も本当にあのまんまだった。
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ここからは主役の寅さんが登場し、本当のカメラリハーサルが始まった。
絶対に夢だ。
あの寅さんと一緒に同じ空間で、同じカメラの前に立っている。
どう見たって夢だ。
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秋田県鹿角市の陸中花輪駅でのシーンを撮影する山田洋次監督。
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フーテンの寅こと、車寅次郎役を演ずる名優渥美清さんにも山田洋次監督の細やかな演技指導が。
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映画って監督のものだって言い切る人もいるが、それを支えるスタッフ。裏方の人数や熱い思いは、まさに一丸となっているチーム力だと感じた。
映画監督って、やっぱ格好いい。
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俳優の渥美清さんはカメラリハーサルごとに違う表情をしている。何度目かのとき、手に持った酒びんの中身をしゃがみ、線路わきに捨てていた。うわ、もったいないな。重いからかな?よく考えてみると酔っぱらうほど飲んだ酒びんが重そうなのは不自然だもんなあ。なるほどなあ。
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同じことを何度も繰り返しているうちにエキストラも調子が出てきて、声を出してやっていると、テレビで顔を見たことのある録音の鈴木功さんが血相を変えて飛んできた。
「音、拾ってるんだよ。渥美さんの声にかぶってる。いいか、君たちはパントマイムでいいんだよ。」
あぁ、そういうことか。軽く怒られてしまった。
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そうこうしているうちに渥美さんが上着を着た。「はぁーい。本番行きまあーす。」助監督の声が響く。一瞬の緊張がはしる。あたりはシーンと静まりかえった。
山田洋次監督の声が響く
「行きます。ハイッ。ヨーイ、スタート!」
一瞬だった。本番は一発でOKだった。
「写真掲載:(C)おだぎり通信出版事業部」

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